杉本ラララ公式サイト

杉本ラララ ニューアルバム『ラララララ』2017年9月6日発売 杉本ラララ ニューアルバム『ラララララ』2017年9月6日発売 杉本ラララ ニューアルバム『ラララララ』2017年9月6日発売 杉本ラララ ニューアルバム『ラララララ』2017年9月6日発売

Lyrics

忸怩たる

冷めた心はエタノールに浸して
幾度となく笑う彼奴を殺しました

目が覚めたら みんないなくなっていて
見つけられずに終わった かくれんぼ

嘘みたいな三日月浮かぶ 夜の帳のなか
飛び交うもの 蠢くもの 木々の嗄れ声

耳を澄まして そっと踏み出して 反応をうかがって
また怖がりになっていくんだ

連れていって世界の向こう 気が触れるその前に
不得手って撤回しようにも 元来た道を知らない
もがくほどに 深く 深く

捻じ曲がった正義感の単細胞
また誰かが餌食になって火達磨

このきな臭い森のなかで 当たり障りない日常
如才なく振る舞う そつなくこなす
気づけば湿気ってた愛

連れていって 懈怠な自分に 絶えず蝕まれ
ブレていって徹底したはずのことさえ 貫けない

彼の苛立ち 彼女の悲しみ あの人の喜び
節操なくてうざったいんだ

連れていって世界の向こう 気が触れるその前に
不得手って撤回しようにも あの頃には帰れない

誰だってきっと昨日より輝いていたいから
黄白こぼれる場所求めて這い蹲う
虫のように
忸怩たる

死神ナイトフィーバー

掃き溜めみたくごった返した都会のビルの間をすり抜け
通い慣れ 前倣え もううんざりするようなこの道
“自分の代わりなどいない
自分が行かなきゃ現場は絶対回んない”
実際お前の代わりなんて掃いて捨てるほどいるよ

若さを売りに油売って媚び売っておじさまの懐に入る
よくテレビで見かけるあの女が不快で嫌いです
でもそんな素行だって 本人も重々承知でいるんだ
好かれも嫌われもしない
覚悟もできんお前よりマシよ

カラカラ スッカラカンの心と頭で笑え
悩んだって 愚図ってたって 死んだも同然

右往左往 蹌踉めいて 今日も‥
満身創痍 破廉恥な夢を見よう

面と向かってないときゃデカい面して踏ん反り返っている
やたらめったら過敏です 耳を塞ぎたくなる御託
クレームひとつ言うたび 可哀想に 呪われていくんだ
親身に対応しながらお気の毒ですねって哀憐の情

長いもんに巻かれたって 飯が食えりゃ美しい
屈託のない顔で あんたが大将

正真正銘のクズでいよう 今日も‥
満面の笑みで巣食う 死神

カラカラ スッカラカンの心と頭で笑え
悩んだって 愚図ってたって お前なんかもう死んだも同然
ダラダラ アッケラカンのクズも阿呆も生きる道
そこらじゅう転がってる 目を凝らしてみろ

右往左往 蹌踉めいて 今日も‥
満身創痍 破廉恥な夢を見よう

死神

杉本ラララのコメント

1st アルバム「ラララララ」の歌詞は洗練されていて隙がないというか、すべての言葉に意味や伏線があって、それでいてすごく人間味の溢れたものになったと思います。

ハッサン(ハシグチカナデリヤ)の歌詞とメロディのOKラインはハードルが高く、特に歌詞の面では「まあこんな感じでいいだろう」という意識の中で書いた言葉は全て書き直しを要求されました。(厳しい!!)

とにかくその指摘は的を得ていて何度も唸ったし、だからこそすごく書き甲斐がありました。ハッサンとの作業のなかで言葉の重みを改めて知ったし、言葉を紡ぐ喜びも覚えました。とても有意義な時間だったなぁ。

サウンド面では二人で試行錯誤を繰り返して何にも似ていない、唯一無二のものになったと思います。杉本ラララっていうジャンルなんです。決して老若男女誰もがわかるような、誰が聴いてもそこそこの合格点をくれるような音楽ではないかもしれないけど(事実フリーライブで観客席の一列目を陣取っていたマダムたちが「死神ナイトフィーバー」を聴いた直後蜘蛛の子を散らしたみたいに一斉にいなくなってしまった‥)人の顔色をうかがって小さくまとまっている自分より、一部の人に軽蔑されてもいいから表現者であり続ける自分の方が好きだと、この作品を通して実感することができました。ディープな部分を曝け出すのは怖かったし不安もあったけど、ハッサンやバンドメンバーはそんな僕の汚い部分や歪んだ一面を快く受け入れてくれていて、ああもう音楽の世界では誰にも気を使わなくていいんだなって、帰る場所を見つけたみたいな安心感がありました。

杉本ラララ

プロデューサー ハシグチカナデリヤのコメント

ところでそもそも『杉本ラララの新作をハシグチカナデリヤがプロデュースする!』という触れ込みはどうだったんだろう?
杉本ラララもハシグチカナデリヤも知ってくれてる人からすると、今ひとつピンとこなかったんじゃないだろうか。
少なくともすぎもっちゃん…彼のファンの皆様の気持ちに立って考えると、手放しで大歓迎!というようなことではないと思う。
何故なら彼とハシグチカナデリヤの音楽性は結構違ってて。
それらが上手く調和するという印象をファンの皆様が全員持ってくれているとは考えにくい。

だけど自分の音楽観は意外と懐が広い!!
更には彼の大ファンでもある。
だから、おつかれーずももちろん何曲も好きな曲はあった。
ただそれはそれとして…1ファンとして『もっとかっこいい、コアなすぎもっちゃんを見てみたい』とも密かに思っていた。
それはただの勝手な妄想というよりは、おつかれーず時代から…もっと言えばそれ以前の杉本拓朗ばんど♪時代から自分はそういった要素を彼に感じていたからだ。

そういう彼の深い部分が爆発した作品を聴いてみたい…と、ずっと思っていたので彼からのこのオファーは1ファンとしても、1ミュージシャンとしても興奮できるものだった。

で、じゃあ具体的にどんな作品にするか?
何となくすぎもっちゃんの音楽をハシグチカナデリヤ風の感じにする?そんなのはナンセンスで一番寒いことだ。
それは分かってますよ。ファンの皆様安心してください。
(なのでMVがついにアップされて、そこを判断してもらえる状態になったのも嬉しい。)

我ながら自分のプロデュースぶりはなかなか見事なものであり!
ハシグチカナデリヤとしてのエゴはまったくなく、ただただ純粋にすぎもっちゃん独自の世界観、アクの強さ(それらは魅力、という言葉にも置き換えられる)をバンドサウンドで薄めることなく最大限に引き出せたと思っている。
誰もが驚く圧倒的歌唱力はもちろん、密かにアコギの名手でもある彼(本人はまったく謙遜するけれど)の巧みなアコギさばきも全曲で聴ける!

彼の持ってきた歌詞やメロディをいっぱい直したりもしたけれど(特に歌詞)それは彼の言葉をハシグチカナデリヤ的なものにする、ということでは当然なく
彼のメッセージだったり考えていることをより伝えるために、必要な修正をしたのだと思っていただきたい。
修正っていうとマイナスイメージありますよね。何かその人自体の魅力が薄まっていくような。売れ線方向にいやいや持っていかされたり…みたいな。
そういうのではないですよ。この作業によってより鮮明に杉本ラララという音楽人が見えやすくなったはず。 具体例で言うと(特典DVDでも話してるけど)当初「死神」という曲名で彼が考えていたものを、その曲名だとあまりに重いから「死神ナイトフィーバー」はどうだろう?と言ってみたり また、この曲のAメロ。元々はちゃんとしたメロディがあったんだけど「いっそのこと喋ってる感じでやってみたらかっこいいんじゃない?」と提案してみたり…。などなどです。

と、そんな色々、紆余曲折があって結果…当初、実は『おつかれーずの新作を』という話だったのが、気付けば名義自体もリニューアルして完全に生まれ変わった杉本ラララとしての1stアルバムとなった。

そんな杉本ラララのラララララ。
うだうだ言ったけど、これはただの名盤です。聴き所満載。
ファンの皆様はもちろん、ミュージシャン仲間の皆様も是非ぜひ買って聴いてください!!

ハシグチカナデリヤ